JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告

JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告 〜千葉勝浦編〜

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、千葉県にあるオートキャンプin勝浦まんぼうを訪問した際の活動記録である。同じ1つのキャンプ場で、異なる2つのグループが全く違うスタイルでキャンプをする。それはそれで面白いものである。スタイルが違えば、行動も全く違う。同じキャンプは1つとしてない、またそれがいい、そんなことを思ったキャンプだった。

 私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生20名、高校2年生20名の計40名で活動している。5月GW明けをもって3年生3名は受験のため一旦部活を離れ、新体制での活動となった。1,2年生40名という、部活動の体制としても未知の領域である人数での活動になり、顧問としても新たな挑戦の年となった。
今回は、アウトドア部初となる千葉県でのキャンプ。参加希望者が多かったために、昨年の石川県でのキャンプ同様、前半と後半の2回に分けて行った。詳細についてはお読みいただきたいが、宿泊、食事、アクティビティと、すべてにおいてかぶりのないキャンプであり、昨年のWe Land以上に違いの大きなキャンプとなった。これもこれで面白いもので、ぜひ対比させながら皆様にお読みいただきたいと思う。
近年夏場の酷暑のためか、今年訪問したキャンプ場は、どこもお客様の数があまり多くなかった印象を受けた。勝浦まんぼうでのキャンプも、私たちしか予約がなく、実質貸し切りだったほどである。夏場のキャンプの暑さ対策も、これまた同時に考えなければいけない問題であることは言うまでもない。まだまだ9月、残暑の残る時期なので、皆様も暑さ対策は充分にお気をつけて、快適なキャンプをお楽しみください。


1つの景色、2つのキャンプ vol.2

武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 髙橋皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 奥冨碧 織田陽大

オートキャンプin勝浦まんぼう 前半~天ぷらキャンプと漁船クルージング~

まずは前半チームです!
今回は、千葉県勝浦市にあるオートキャンプin勝浦まんぼうへ行きました。出発日の天候も非常によく、まずは買い出しから。今回は、「釣った魚を天ぷらにしたい」という目標のもと、夜ご飯は天ぷらになる予定で食材の買い出しを行いました。
現地に到着すると、まずはサイト等の説明を受けて、その後はテントの設営!男子は全員初となるテント、女子は何度も使っている慣れたテントを設営しました。

到着後は、いよいよ釣りの時間!松部漁港へ釣りに行きました。
松部漁港では何が釣れるか、その時まだ聞いていなかったので、のんびりと釣りを楽しんでいました。と思ったら、早速小さいながらもアジがヒット!食べられる魚がゲットでみんなのテンションも上がりました!また、その後も小さなアジやフグはヒットするものの、なかなか大きな魚には巡り合えず…(魚影はあったのでみんなで粘りましたが、なかなかうまくいかないのが釣りですね…)。ちなみに、ゴミも釣れて、みんな大笑いしました。
肝心の釣果は、アジが2尾…。本当ならごはんはこれだけいなるところなのですが、食材はほかにも買ってあったので、釣ったアジも含めてまずはご飯にすることにしました。

私達は夕食に天ぷらとうどんを作りました。調理は1年生の部員が主体になって行い、港で釣ったアジ2匹も天ぷらにしました。先生からは、「まさかキャンプで天ぷらをやるようになるとはなぁ…」「レパートリーが増えるのはいいこと」と言われました。キャンプでの調理は、屋外調理ということで簡単なものになりがちですが、アウトドア部では新歓キャンプをはじめとして、かなり手の込んだ料理を作る場面が結構多い印象です。ただ、先生の知る限り、キャンプで天ぷらはこの5年間で初めてとのこと。もちろん、みんなで協力して美味しく作れました!ただ、あとから後半チームの作ったご飯を見て、もう少し自分たちの食事に工夫ができたのではないか、と思うところもありました。魚介を現地で調達するなど、まだまだ工夫の余地もあったご飯だったと思います。

ちなみに、勝浦の夜は非常に涼しく、テントでもファンが1つあれば充分快適に過ごせるような気温でした。みなさんも、避暑がてらに勝浦へのキャンプ、検討してみてはいかがでしょうか?

2日目。この日はビッグイベントとして、オートキャンプin勝浦まんぼうの提供する「漁船クルージング」の体験の日でした。私達は漁船に乗ってクルージング体験を楽しみました。全員初めての体験で楽しみな気持ちと不安な気持ちが半々でした。波の上を加速していくときの揺れもだんだんと慣れて、楽しさに変わりました。操舵手さんからのお話を聞きながら勝浦の海を巡り、テンションが上がり他の船の人に手を振ったり、みんなで波と一体になったような感覚になりながら楽しめました。そして、1年生が船の操縦体験をしました。操縦は意外に簡単で、速度を操作するレバーと、向きを操作するダイヤルの使い方を教えていただき、楽しく操縦することができました。勝浦キャンプで最高の思い出となりました。この体験では、何回も行きたくなるような楽しさと、なかなかできない体験を味わえるので、ぜひ体験してみてください。

前半チーム最後は、オートキャンプin勝浦まんぼうから徒歩5分で行ける尾名浦海岸へ少し寄りました。住宅街の中にある小さな砂浜で、まさに知る人ぞ知る場所、というような感じでした。入り江のようになっていて、様々な水生生物も見ることができます。こちらは近くに駐車場もありますので、お気軽にお立ち寄りください。

 《オートキャンプin勝浦まんぼう 後半~勝浦の海の幸と海水浴キャンプ~

次は後半チームです!
今回は1泊2日で千葉県勝浦市にあるオートキャンプin勝浦まんぼうを訪れました。そして今回は、筑波大学付属坂戸高等学校からのメンバーが1人追加で行きました。
学校での準備ではスムーズに動けなくて手こずってしまいましたが、みんなの協力で終わり、いよいよ勝浦に行きます!(車の中でもめっちゃ盛り上がっていました)

前半チームとの違う点として、今回はバンガローでの宿泊でした。バンガローの中には冷蔵庫やエアコンがありとても涼しく、快適に過ごせました。勝浦まんぼうには他にもたくさん魅力があり、レンタル自転車やテントサウナなど興味深いものがたくさんありました。これはキャンプ場のオーナーの方も仰っていたことなのですが、「キャンプ場に求められることが、少しずつ変化している」…今は、バンガローとはいっても、電源はもちろん、エアコンや冷蔵庫などの快適性も非常に重要な要素になりうるわけです。

キャンプ場に着き、普段ならテントの設営から始めるところですが、今回はそれも無し。暑い夏には最高です。ということで、釣竿を受け取り、早速松部港で釣りを楽しみました。堤防で釣りをしていたお兄さんによると、松部港ではふぐしか釣れないのだとか…少し歩いて松部港についていよいよ釣り開始!と海を見たら本当にふぐしかいませんでした…。他の魚は釣れるのかな?と思ったのですが、なんと最初の一時間は魚が食いついてくれなくて収穫はゼロ。みんなモチベーションが下がったその時!突然大きなフグが出現しました(ボス級でした)。その後にも大きいエイや他の魚も続々と出てきてみんな一瞬にしてやる気アップ!だけども収穫ゼロ…。これで終わると思っていた矢先、1人の部員がふぐを釣りました!それを皮切りに、その後もどんどん釣れて合計6匹釣れました。(ふぐを食べるには免許が必要なので今回はリリース)

一つの釣り竿におおきいしなりがあり、もしかしたら大物が釣れたのではないか?と思って釣り上げたら鉄パイプでした。その後にもまた一つの釣り竿におおきいしなりがあってまた鉄パイプが釣れたのではないかと思ってたら、何かが釣れたような動きをしていました!先生曰く(これは大物だな)と推測。頑張って釣り上げてもらいたかったが、重すぎて釣れなくて更に釣り竿の糸まで切れてしまった…。というハプニングもありましたが、とても楽しかったです!

僕たちは楽しく釣りを終えて、夕食の準備に取り掛かりました。食材は、地元で取れた新鮮な魚や干物を使って夕食を作りました。食材は、刺身の柵でカツオ、ヒラメ、タコ、イクラ、一キロのはまぐり、干物はアジとホッケでした。
そして僕は、刺身の柵をきれいに皮や骨を抜きみんなが食べられるように加工しました。
特に刺身の皮を剥ぐ時は少しでも切り方を間違えてしまうと刺身の形がおかしくなってしまうと思い魚に刃を入れていくたび慎重になっていきました。刺身の魚たちをきれいに加工し終わり皿に盛り付けると先生が残りのはまぐりとアジ、ホッケの調理に取り掛かっていました。はまぐりは蒸し焼きにし干物のアジ、ホッケは炭火でじっくりと焼いていきました。はまぐりができ始めた頃先生がこの出汁はうまいぞと言っており試飲してみると旨味や塩味のバランスが取れているとっても美味しいスープになっていました。そのスープをカップヌードルのお湯の代わりにして3分間待ちました。感想は、目が飛び出るほどの美味しすぎるシーフードカップヌードルになっていました。
ほかにもハマグリは一粒一粒がとにかく大きく、食べ応えも充分でした。タコやヒラメは刺身にして食べましたが、これも絶品。カツオは炭火に直接置いてたたきにし、炭火の香りとともに楽しみました。
驚いたのが干物です。普段、干物を食べて感動することはありませんが、キャンプ場でみんなで食べているからか、勝浦の地元の海の幸だからなのか…これは感動ものでした。炭火で調理しているのがまた旨さを際立たせていました。

夜も非常に快適で、コテージの中で涼しく過ごせました。また、夜は星もとても綺麗で、普段の生活ではあまり意識して見ないところにも目を凝らして見ることができるのは、キャンプに来た時だからこそです。
肉眼だと倍以上見えて綺麗でした!

2日目は守谷海水浴場に行きました。ここは透明度の高い海として有名で、いい時では泳いでる魚が見えるくらい透明なんだそうです。埼玉県は海がなく海水浴をする機会はあまりなくてとてもテンションがあがりました!天気は快晴でとても暑かったのでとても気持ちよく泳げました。そして僕たちは海水浴の後、僕たちは埼玉県に向けて帰りました。

今回の勝浦でのキャンプでは、メンバーが昨年の夏に能登島家族旅行村に行ったメンバーと似ていたこともあり、たまたま「海鮮キャンプ」という点で、「食事にお金をかける」というところも、予算計画の段階ですんなり決まりました。そして結果的に大正解。その土地のものを使ってキャンプ飯を作る。食材をあらかじめ買って持っていく必要もありません。言うなれば、「皆様のお好きなように」楽しんでいただきたいと思います。

1つの景色、2つのキャンプvol.2~顧問として、アウトドア部という部活の在り方を問う~

本記事をご覧になった皆様。
お読みいただき、ありがとうございました。
さて、実は2023年8月には能登島家族旅行村We Landへキャンプに行きました。その時も、あまりにも行きたい人が多すぎたために、2回行くことになったという経緯があります。「一つの景色」=同じキャンプ場、「2つのキャンプ」=メンバーも企画も違う全く別のキャンプ、という位置づけで、タイトルを決めました。もしかしたら、来年もあるかもしれません。次はどこのキャンプ場になるのでしょうか…。
場所が同じでも、メンバーが違えばもちろん企画も予算も違います。こうして異なる2つのキャンプに行くと、「それぞれの個性が出ていて面白いなあ」とも思いますし、1つのことをしても、「ここはこっちのチームのほうがよかったなぁ」と思います。お互いに「いいとこどり」をして、少しでも有意義なキャンプに近づけてもらいたいものです。
実はアウトドア部のキャンプ……年々楽になってきています。それだけ、自分たちでできることが増えた、先輩が後輩へいろいろなことを教えてくれる、という体制になってきているということです。顧問としては非常にありがたいです。
同じ場所で行われた2つのキャンプ、いかがだったでしょうか。
また10月の報告をお楽しみにお待ちくださいませ。