小学6年生でも分かるキャンプ場経営の指標

小学6年生でも分かるようにキャンプ場経営管理指標を解説してみました

重要と分かっていても、「分かりにくい」「面倒くさい」とついつい「後回し」や「おろそか」にしてしまいがちなキャンプ場経営の指標管理について、勉強の苦手な小学生でも分かるように学校の授業風に解説してみました。ぜひこの機会に小学生に戻ったつもりで改めて勉強してみてください。

1時間目. 稼働率(OCC:Occupancy Rate)

◾️どんなもの?

稼働率は、OCC(Occupancy Rate)といってキャンプ場やコテージなど宿泊施設がどれくらい使われているかを示す数字です。簡単に言うと、全体のサイトやコテージなど宿泊施設の中で、どれくらいが実際に使われたかを表しています。1ヶ月や1年間の合計で計算する場合は月平均稼働率や年間平均稼働率となります。

◾️どうやって計算するの?

例えば、キャンプ場に10個のテントサイトがあって、そのうち8つが使われたとします。この場合の稼働率(OCC)はこうなります:

◾️どうして大事なの?

稼働率が高いと、たくさんのお客さんが来てキャンプ場がにぎわっていることが分かります。逆に稼働率が低いと、キャンプ場があまり使われていないことになります。たくさんの人に来てもらえるように工夫することが大切です。


2時間目. 平均客室単価(ADR:Average Daily Rate: )

◾️どんなもの?

平均客室単価はADR(Average Daily Rate)といって、お客さんが1日あたりに払った平均の料金を示す数字です。キャンプ場やコテージなど宿泊施設が1日でどれくらいの料金をもらっているかが分かります。

◾️どうやって計算するの?

例えば、1日に3つのテントサイトが使われて、それぞれが5,000円、6,000円、7,000円だったとします。この場合の平均客室単価(ADR)はこうなります:

◾️どうして大事なの?

平均客室単価が高いと、キャンプ場が1日あたりたくさんのお金をもらっていることになります。例えば、特別な設備やサービスがあると、お客さんはもっと高い料金を払うかもしれません。


3時間目. 利用可能区画あたりの売上(RevPAR:Revenue Per Available Room)

◾️どんなもの?

利用可能区画あたりの売上は、RevPAR(レブパー)と呼ばれることが多く、キャンプサイトやコテージなど宿泊施設が、全体のサイトや宿泊施設から1日でどれくらいの収入を得ているかを示す数字です。稼働率と平均客室単価を掛け合わせたものなので、全体の収益力を示しています。

◾️どうやって計算するの?

例えば、キャンプ場に10個のテントサイトがあり、そのうち8つが使われました。使われたテントサイトの1日の平均料金は6,000円だったとします。この場合の利用可能区画あたりの売上(RevPAR)はこうなります:

◾️どうして大事なの?

利用可能区画あたりの売上が高いと、そのキャンプ場がとても収益性が高いことを示しています。たくさんの人が使ってくれて、しかも良い料金を払ってくれていると、利用可能区画あたりの売上が上がります。キャンプ場全体の健康状態をチェックするための大事な数字です。

4時間目. キャンセル率

◾️どんなもの?

キャンセル率は、予約したお客さんのうち、どれくらいの人が実際には来なくなったかを表す数字です。

◾️どうやって計算するの?

例えば、100人がキャンプ場を予約したけれど、そのうち10人がキャンセルしたとします。この場合のキャンセル率はこうなります:

◾️どうして大事なの?

キャンセルが多いと、キャンプ場が空いてしまうことになり、稼ぎが減ってしまいます。だから、キャンセルを減らすために、柔軟に日程を変更できる仕組みを作ることが大切です。

これで午前の授業は終了です。稼働率、平均客室単価、利用可能区画あたりの売上、キャンセル率がどんなもので、どうやって計算するかが少し分かりやすくなったと思います。毎日チェックするのは大変でも、1ヶ月ごとに平均値を集計してこれらの数字の意味を考えていけば、キャンプ場をもっと魅力的にしていくヒントが見つかるはずだよ!


さて午後の授業になります。ここからは平均予約単価、 顧客獲得コスト、推奨度指数についての授業になります。少し難しと感じる人もいるかもしれないので、眠くならないようにしっかり学習してね!

5時間目. 平均予約単価(ARR:Average Rate per Reservation)

◾️どんなもの?

平均予約単価は、ARR(Average Rate per Reservation)といって、1回の予約ごとにお客さんが平均でいくら使ってくれているかを知るための数字です。

◾️どうやって計算するの?

例えば、キャンプ場で1か月に100件の予約があり、全部で50万円の売上があったとします。
この場合の平均予約単価(ARR)はこうなります:

◾️どうして大事なの?

この数字が高いほど、お客さん1人が多くのお金を使ってくれていることになります。例えば、キャンプ場でテントを借りたり、バーベキューを注文したりすると、平均予約単価が上がります。

先生、質問です!午前中に学んだ「利用可能区画あたりの売上(RevPAR)」と何が違うんですか?

◾️「利用可能区画あたりの売上(RevPAR)」「と平均予約単価(ARR)」の違い

「利用可能区画あたりの売上」は、キャンプ場全体が1日でどれだけの収入を得ているかを測る数字で、稼働率も考慮に入れています。平均予約単価は、1回の予約ごとにお客さんが平均でどれくらいのお金を払ったかを測る数字で、個々の予約に注目しています。簡単に言うと、前者はキャンプ場全体の収入をチェックするためのもの、後者は1回の予約がどれくらいの価値があるかをチェックするためのものです。


6時間目. 顧客獲得コスト(CPA:Cost Per Acquisition:)

◾️どんなもの?

顧客獲得コストは、CPA(Cost Per Acquisition)といって新しいお客さんを1人呼び込むのに、どれくらいお金がかかったかを示す数字です。

◾️どうやって計算するの?

例えば、キャンプ場の広告に30万円使って、それで50人の新しいお客さんが来たとします。この場合の 顧客獲得コスト(CPA)はこうなります:

◾️どうして大事なの?

この数字が小さいほど、少ないお金でたくさんのお客さんを呼べていることになります。例えば、友達を紹介すると割引になるキャンペーンをすると、少ないお金でたくさんのお客さんを集められるかもしれません。


特別課外事業.推奨度指数 (NPS:Net Promoter Score: 推奨度指数)

◾️どんなもの?

推奨度指数は、NPS(Net Promoter Score)といって、お客さんがどれくらいそのキャンプ場を他の人に勧めたいと思っているかを知るための数字です。

◾️どうやって計算するの?

お客さんに「このキャンプ場を友達にどれくらい勧めたいですか?」を0から10の点数で答えてもらいます。受け付けでアンケート用紙などを渡して、記入してもらうことで簡単に実施できます。

9点や10点を付けた人が「推奨者」で、0から6点を付けた人が「批判者」となります。
推奨度指数は「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いて計算します。

◾️どうして大事なの?

推奨度指数が高いと、そのキャンプ場がとても良いと感じているお客さんが多いことを意味します。たくさんの人に勧めてもらえれば、もっとたくさんのお客さんが来てくれるかもしれません。もし推奨度指数が低ければ、お客さんが不満に思っていることを改善する必要があります。


これで午後の授業は終了です。平均予約単価、顧客獲得コスト、 顧客獲得コストがどんなものか、そしてなぜ大事なのかが少し理解できたと思います。これらの数字を使って、どうやって収益を増やしてどうやってコストを減らせばいいのか、お客さんがこのキャンプ場をどう感じているか指標が見えてくれば、もっと素敵なキャンプ場を作っていくことができるんだよ!

これで本日の授業は終了です。