JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告 〜1年のふりかえり〜

JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告
〜1年のふりかえり〜

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。いよいよ新学期を迎え、アウトドア部は更に活気づいて様々な活動に取り組んでいる。今回は、昨年お世話になったキャンプ場で1年生の新歓&3年生引退前キャンプを行った。主役の1年生、先輩になった2年生、間もなく引退の3年生、それぞれがそれぞれの立ち位置で1泊2日の合宿に臨んだ。

 私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生20名、高校2年生20名、高校3年生4名の計44名で活動している。1年生の部員数を見て思うことは、「もう何も驚かない」である。アウトドア部がコンスタントに20名以上の生徒が入部する団体になった、というのは嬉しい限りで、今年から入部制限を設けることになったのは異例である。
さて、この時期は新歓&引退前キャンプとして、毎年埼玉県飯能市にある「せせらぎキャンプ場」様にお世話になっている。ご家族で経営していらっしゃるキャンプ場で、深緑の木々と清流のせせらぎが魅力のキャンプ場である。このキャンプ場で、花鳥風月に明け暮れするのもまた一興であろう。
今回のキャンプでは、とにかく「2年生の成長」を感じたキャンプであった。まだ後輩が入ってきて1ヶ月も経たない状態であるが、その中で2年生同士で連携し、全体を運営していこうという心意気を感じた。反面、まだまだ「失敗を恐れる」ことに怯えているようにも感じる。人間は、様々な場面で大なり小なりの決断を迫られる。その時に適切な判断ができたかどうかは結果論になる。2年生には、恐れることなく自分たちで様々な決断ができるようになってほしい。失敗しても構わない。大切なのは、経験の積み重ねであり、経験とは、失敗と成功の積み重ねなのだから。
入部から1年。きっと成長していると思いたい。


※下記、本記事の一部文章はGARVY7月号にも掲載させていただいております。

入部したての1年生とキャンプに行った今、改めて思うこと。

部長 奥冨碧・織田陽大

私達アウトドア部は今年20人の新入部員に恵まれ、今年はなんと総勢44人にもなってしまいました。人数が多すぎて名前がまだまだ覚えられないのが現実です。

ということで今回は新1年を迎えたので、毎年恒例の新入生歓迎キャンプに行ってきたことの記事となります。

今回お世話になったのは、埼玉県飯能市にある「せせらぎキャンプ場」です。実は毎年アウトドア部の新歓キャンプ開催の際、お世話になっているキャンプ場で、毎年来るたびに顔なじみになってしまったオーナーさんに挨拶することから始まります。去年と違うのは緊張がまったくないことです。前年はあまり親しくないような子たちと一緒にいて、あまり周りに目がいかなかったけどいざ見渡すと、木でできたバンガロー、木の間から注ぐ光、川の流れる音、おぼろげな見覚えなどとても美しいキャンプ場です。

実はこの日、バスの配車トラブルでキャンプ場に到着する時間が遅れてしまいまっていたのです。そのため私達アウトドア部はとても疼いていました。そのため、荷物をおいた瞬間  そう、自由時間になった瞬間私達は弾けてしまいました。川遊びが始まったのです。部員の一人を筆頭に、アウトドア部男子組は靴を脱ぎ捨て、川の冷たさに絶叫しながらも楽しそうに遊んでました。女子は足湯感覚で入っていましたが、その中の例外の方は男子に牙を向き、それに対して容赦なくやり返す男子は「水に滴るいい女」や「自然との共生」という作品を爆誕させてしまいました。あとで顧問の先生に聞いてみたらアウトドア部に語り継がれる伝説となると言っていました。OBになったあとがとっても楽しみですね。

ずぶ濡れになってしまった私達は、元々19:00以降に貸し切りにさせていただいた入浴時間を、キャンプ場の管理人の方に交渉して急遽追加し、食事作りと風呂の時間を同時並行することになってしまいました。が、川の水ですっかり冷え切った体には温かいシャワーがとても身に染みるものでした。昨年、せせらぎキャンプ場に来た時にはシャワールームが改修中で使えず、近くの温泉まで先生がハイエースを使ってピストン輸送で頑張って送ってくれましたが、今年はその手間がないと言ってちょっと嬉しそうでした(笑)
顧問コメント:圧倒的に楽で助かりました。来年もこれがいいなぁ。

今回のキャンプは私達2年にとっても、とても大切なもので、大きな成長となるものでした。ちょうどこの記事の上に載っている料理、実は多くの障害や事件の末にできたものだったので、雑誌に掲載できなかった裏話を。

ご飯を作る前にはもちろん何を作るか、どんな材料が必要か、それを作るために必要な調理器具など、考えなければいけないことがたくさんあります。そのうえ、これだけたくさんの人数で同時に調理を行うとなれば、その量も膨大になります。昨年も多かったですが、今年はその比ではありません。今回は新歓キャンプ。何と言っても主人公は1年生なので、1年生達に何が食べたいか聞き、それができるのか、どこまでしてあげられるか、各グループの2年生はとても頭を悩ませました(ちなみにこの話は、顧問の髙橋先生も知りません←この記事を読んで初めて知りました。by顧問)。他にもビンゴやバス内レクなども考えましたが、トラブルでできなかったり、遊ぶのに夢中だったり、シャワーの時間を前倒したりと、予定外のことがたくさん起こりました。しかし、結果的には「楽しかった」ことばかりだったのと、何より1年生もすごく楽しんで合宿の時間を過ごしてくれたみたいで安心しました。予定外のことが起こっても、それでも2年は連携し、僕たち部長副部長を中心に動いて、次にすることを考えました。ただ、それでもなかなか自分達で考えて行動を起こす、行動を全体に指示するのは並大抵の難しさではなく、それが約40人という団体になると、なかなか指示が通らないことで、全体を動かす難しさを痛感しました。その時には、顧問の先生に相談しながら進めました。相談する時は必ず先生は、「その次はどうしようと思ってる?」「今○時だけど、そろそろ時間大丈夫?」などと、行動・行程のフローを確認しながら進めてくれたこともあり、自分達だけでどうにもならない部分をしっかりとフォローしてくれました。そのおかげで、なんとか夜ご飯という大きな壁を突破できました。その日の夜、部屋長を招集して次の日の連絡をするとき、先生は「だいぶ2年(先輩)らしくなってきた。正直、見違えるくらいだよ」といっていたので私達は少しずつ成長しているのだとしっかり感じられました。たった1年間という時間しか経っていませんが、その中で集団の中で自分たちが主体的にどのような行動をしなければいけないか、その時に周りに同調して一緒に楽しむだけでなく、自分達が周りを見て行動できるようにならないと、この部活動は成り立たないことを改めて感じました。

個人的に僕が一番楽しかったのは、食事も終わって風呂も入って、歯も磨いて、もう寝るだけという消灯までの僅かな時間でした。あの残り少ない時間でするちょっとした雑談がなんとなく心地よく、とても心に残っています。アウトドア部のキャンプ合宿は、行程は自由なことが多いです。ある程度事前に決めはしますが、その時その時で自分たちの裁量で必要なことを考えて提案すれば、先生はすぐにそのプランを通してくれます。自由裁量は難しいことも多いですが、自由だからこそ成り立つことも、同時にあると思っています。そして成り立っているのが、このアウトドア部であると、この記事を書きながら思いました。

次の日の朝、2日目は朝食から始まりました。先生が6時に起きて作ってくれた料理や私達部員で作ったホットサンド、お菓子をちょっとつまみながらまったり過ごしていました。
2日目は1日目の疲れからかみんな起きてこないかと思いましたが、全くそんなことはなく、7:00くらいにはほとんど全員が起きていました。先述のとおり、多くの学校で行われるいわゆる「合宿」は、ほとんどの行程が決められていますが、やっぱりアウトドア部、朝の時間も自由です。
朝の行動もみんなが素早く布団の片付けやバンガローの清掃等をしてくれたおかげで、チェックアウトの時間にはかなり余裕を持って撤収作業を完了することができました。このあたりは、もう随分と慣れたもので、1年間のキャンプの成果もちょっとずつ出てきたのではないかと思っています。
今年の夏も、アウトドア部は様々な活動を行います。引き続き、アウトドア部の活動にご期待ください。

文責:アウトドア部部長 織田陽大


(報告)
坂本皓正(JAC公認オートキャンプ指導者インストラクター)