キャンプで地域活性化!福岡県DMO新規事業創出支援事業「田川deはじめてキャンプ in 7世代CAMP」開催レポート
福岡県田川地域にて「はじめてキャンプ」開催!
2024年3月13日、福岡県田川郡福智町にある7世代キャンプにて「はじめてキャンプ」の講師・地域活性化のキャンプアドバイザーを務めさせていただきました。
田川地域は、「田川市」「香春町」「添田町」「糸田町」「川崎町」「大任町」「赤村」「福智町」の8市町村からなる、福岡県のほぼ中央に位置する地域です。
博多方面から1時間半、北九州方面からも1時間半、福岡県のどこからでもおよそ1時間半で自然あふれる場所にいくことができる、キャンプを気軽に楽しむには素敵な立地条件。はじめてのキャンプでも無理なく楽しめる距離感と豊かな自然環境が魅力的な土地となっています。
今回は、そんな素敵な場所で開催された「田川deはじめてキャンプ」のイベントの様子を紹介させていただきます。
「田川deはじめてキャンプ」イベントレポート
開催地:福岡県田川郡福智町 7世代キャンプ
2024年3月13日(木)、前日まで雨風強く、開催が心配されるようなお天気が続いていましたが、当日はこれまでの悪天候が嘘のように清々しい空。
今回参加いただいた方は、一般の方を含め、赤村、福智町、糸田町の地域おこし協力隊の方など、田川地域の観光について積極的に取り組んでいただいている方たちが集まりました(福岡県福智町のプロバレーボールチームkanoaの選手も!)。中にはキャンプ体験がはじめてという方も。
フラフープでアイスブレイク!
11時から始まったイベントでは、まず参加者の皆さんの緊張を解きほぐすべく、7世代キャンプのオーナー日高将博さんがフラフープを使ったアイスブレイクを実施。
キャンプ場オーナー日高さんは異色の経歴!
(写真中央3名の真ん中が日高氏)
日高さんは異色のキャンプ場オーナー。福智町出身、商社を経て中国の広西チワン族自治州のハンセン病隔離村で活動、日本財団・国際事業部にて世界保健機関(WHO)ハンセン病制圧大使の活動を補佐し、国際機関、世界50か国以上の政府とハンセン病の制圧、人権外交に取り組み、ミャンマー国家最高顧問アウンサンスーチー氏とハンセン病回復者が直接対話する場を実現した方です。現在は生きる力がテーマの「7世代キャンプ」を経営しながら、無農薬の「あがのレモン」農家、狩猟、地域と若者をつなぐ活動や、子ども向けの国際交流イベントなどを実施しています。
そんな多才な日高さん主導で始まったアイスブレイクで、一気に皆さんの緊張がほぐれ、キャンプ場は参加の皆さんのにこやかな雰囲気に包まれます。
「キャンプ×防災」をレクチャー
私は、JACから提供いただいた「キャンプ場ロケーションガイド」を用いて、キャンプ道具の説明や、キャンプのスケジュールなどについて講習させていただきました。
防災士の私から意見として、キャンプの経験や道具はいざという時に役立つということを、セイシェル浄水ボトル(英国海軍ROYAL NAVY依頼の元、軍事的な防御に重点を置いて開発されたアドバンスフィルター搭載ミルスペックモデルの携帯浄水ボトル)や使い捨てトイレ、オールウェザーブランケット2(パックスコーポレーション様ご提供)を実際に見ていただきながら紹介させていただきました。
タープ設営体験
次にチームに分かれてタープの設営。キャンプ場オーナーの日高さんと私が講師となり、タープを設営していきます。
キャンプ経験のある方、キャンプ場に勤めていらっしゃる方もおり、手慣れた様子で設営するチーム。キャンプは全く経験したことがないという初心者チームなど、チームによって経験度が違いはあれども、皆さん協力しながら楽しく設営。
ロープの結び方、1人でも簡単に設営できる方法などを学びました。ポールが足りない場合は、落ちている木の枝を活用したり、木の枝に結んだりと、身の回りにあるもので対処するという経験もでき、いざという時の知識がより深まったのではないでしょうか。
焚き火体験
つづいては焚き火の準備。
今回は竹飯盒を作ってご飯を炊き、カレーとバーベキューを楽しむというスケジュール。
自然の中で焚きつけを集める
便利な道具があればあっという間に火おこしできてしまうのですが、今回はキャンプ場の中で見つけたものを使って火おこしを体験してもらうことに。
着火剤となる杉の葉、まつぼっくり、小枝、もう少し太い枝などサイズごとに集めてもらい、マッチで着火。
なかなか火が大きくならない、すぐに消えてしまう、くすぶってしまい煙たい…などもありましたが、最終的には皆さん上手に火おこし完了。
大盛り上がりの竹飯盒作り
焚き火の火が安定したところで、竹飯盒を作ります。日高さんのキャンプ場で生えていた竹を使い、竹の側面をノコギリとナタを使い四角く切り抜きます。この作業が意外に大変! 「ただ切り抜くだけ」と思いきや、やってみてはじめてわかる大変さを感じました。でも、美味しいご飯を食べるためならなんでもできます。皆さん上手に切り抜き完了!
上手に切り抜いたら、中をすすいで浸水しておいたお米とお水を入れ、焚き火にかけます。
マシュマロ焼くのも意外と難しい!?
ご飯が炊き上がるのを待ちながら、マシュマロを炙ってみんなでリラックスタイム。火に近づけすぎない、くるくる回しながらなど、皆さん上手に焼けるよう工夫している様子もありました。テレビや動画で見るのと、実際にやってみるのでは難しさも違って楽しかったのではないでしょうか。
おいしいお肉とご飯とカレーで、心もお腹も満たされる!
希少な牛肉と、オーナー自ら狩猟した猪肉
ご飯が炊き上がるのに合わせて、炭をおこしお肉を焼く運営スタッフ。今回のお肉は田川広域観光協会と、7世代キャンプからのご提供で、飼育頭数の少ない希少牛肉と、キャンプ場オーナー自ら狩猟した猪肉をご賞味いただきました。
牛肉はもう間違いない美味しさ、そしてびっくりしたのが猪肉の美味しさです。ジビエというと野生味あふれるイメージだったのですが、野生味が一切ありません。濃厚な豚肉とでも言えばいいでしょうか…。豚肉とはまた違う脂の旨みや風味があるのですが、とにかく美味しかった。この一言に尽きます。
7世代キャンプに行かれる予定のある方は、猪肉もぜひ!
竹飯盒で炊いたご飯の美味しさに一同感動!
竹がたくさん生えている地域ならではのコンテンツ。地域の特産を生かした炊飯です。
ところで皆さんはこれまで竹でご飯を炊いたことはありますでしょうか? 実は私もはじめての経験だったのですが、この美味しさにびっくり! お米一粒一粒がおいしく炊けていて、ほんのりついたお焦げも固すぎず香ばしい風味がでていい感じに。この美味しさに、参加の皆さんをはじめ、スタッフたちも大感動。「竹でこんなに美味しくご飯がたけるんだね。またやりたいね」という声も聞こえてきました。
炊き立てご飯にかけるのは、オーナーのお母さんが温めてくれたレトルトカレー。お肉とカレーという、はじめてのキャンプにぴったりなメニューになったのではないでしょうか。
お腹いっぱいになった後は、時間が来るまでまったり焚き火タイム。皆さん思い思いに薪をくべたり、談笑をしたりして過ごしました。
火の始末、タープの片付けまでがセット
今回は楽しいことだけをやっておしまいではなく、最後の片付けまでがセットのイベント。火がついたまま灰捨て場に捨てないなどの基本的な話や、タープを畳んで、ペグの土を落として、ロープをまとめて…と一通り経験していただきました。ただ楽しいだけで終わることなく、しっかりとデイキャンプを楽しみながら学べるイベントになりました。
参加者の声「今度は自分でデイキャンプに行ってみたい」
今回ご参加いただいた方のなかには、全くのキャンプ未経験の方もいらっしゃったのですが「次は自分1人でもタープ設営ができそう」「火おこしができる自信に繋がった」「もっと防災について、実際に使ったりしながら学びたい」など、とても前向きな感想をたくさんいただきました。20代前半の女性たちから「今度は自分たちだけでデイキャンプを始めてみたい」というお声もいただき、若い方にも田川地域でのキャンプの魅力をお届けできるいいイベントになったと感じています。
開催に至った経緯と今後に向けて
この事業は2023年10月からはじまったプロジェクトで、福岡県のコンサルタント会社イデアパートナーズ様からキャンプのアドバイザーとしてお招きいただき、福岡県田川市広域観光協会様、福岡県庁様、福智町の7世代キャンプ様と複数回に渡り福岡県田川市でのミーティングを重ね実現したイベントです。
私も何度も田川に足を運び、外から見た田川地域の魅力をどうやったら地元の方に理解していただけるだろうかという思いもありながら開催に至りました。
田川広域観光協会が田川8市町村にあるキャンプ場さんと手を取りあい、もっとたくさんのお客様に田川地区に来ていただきたい。そんなきっかけとなるデイキャンプイベントをやってみようということで、ようやく実現した新年度に向けたプレイベントは、先述のレポートに記載したようにとてもいい結果が残せたのではないかなと思っています。
今回のこのイベントを足がかりに、新年度は田川広域観光協会のホームページ拡充や、イベント企画・集客をし、8市町村のキャンプ場様それぞれでこのような取り組みをし、色々な角度から田川地域の魅力を伝えながらのキャンプイベントができるようになればとても嬉しいです。
最後に、今回「ロケーションガイド」の提供をいただいた日本オートキャンプ協会、オールウェザーブランケットをご提供いただいたパックスコーポレーション様、セイシェルサバイバルプロを以前にご提供いただいたGRANDEX様、イベント開催にあたり携わってくださった全ての方々に感謝の意を示し、謝辞といたします。
(報告)
コウダミキ(ずぼらまま)
ファミリーキャンプアドバイザー。ファミリーキャンプ歴十数年、年間50泊以上するキャンプブロガー。夫、子ども3人と柴犬2匹の大家族。犬連れキャンプから車中泊、ソロキャンプなどなんでも全力で楽しむスタイル。アウトドアライター