国内キャンピングカーの登録と販売の動向

国内キャンピングカーの登録と販売の動向

全国のキャンピングカー登録台数前年比4.3%増

全国で「キャンピング車」で登録されているキャンピングカーの登録台数は11万3,453台と前年に比べて4,822台、4.3%の増となった(自動車検査登録情報協会調べ・2023年3月現在)

写真:茨城県常総市にあるRVランド

キャンピングカーはコロナ期には家族だけで移動できる旅行のツールとして注目されたこともあり、その需要は拡大した。

都道府県別に見ると、1位は北海道の11,070台、2位東京都8,769台、3位埼玉県8,617台で、神奈川県、千葉県、愛知県と続いており、都心部が中心となっていることがわかる。伸び率が高いのも1位大阪8.4%、2位愛知7.7%、3位兵庫7.2%と保有台数の高い都市部となっている

車種別では自走式キャンピングカーは4.3%増の104,284台。けん引式キャンピングトレーラーは全体の1割程ではあるが3.4%増の9,169台と、車種別いずれも堅調な伸びを示している。

キャンピングカーは上記のように車検上「キャンピング車」として8ナンバーで登録している車両の他、通常の3ナンバーなどで登録しているものもあるが、その台数はこの数字には含まれておらず、国内のキャンピングカーの台数としては更に多くなる。

キャンピングカーの販売動向

昨年度末の登録台数は堅調に伸びているがコロナ期明けに向かった2023年のキャンピングカー販売の動向はどのような状か。茨城県を中心に九州などでもキャンピングカーの製造・販売を行う「RVランド」阿部和英社長に近年の販売動向を聞いた。

コロナや戦争などの影響で部品供給が滞り、特に輸入のものでは販売するにも車両が届かない状況が続いていたが、昨年に入り以前に発注していた車両がやっと届くようになった。しかしこの間に円安は進行し、原油高による輸入コストの上昇から以前の価格で販売することができず、価格を変更せざるを得なくなった。中にはその価格の変更からキャンセルなどもあり影響を受けている。一方で九州のRVランドでは販売は好調さを保っており、販売動向では地域差も感じられる。

関東周辺では前年比ではマイナスとなっているが、コロナ期は、家族だけで移動と宿泊ができることからキャンプ同様、キャンピングカーも注目され、今振り返ってみるとコロナ期は「特需」だったと考えている。実際コロナ前の2019年と比較すると微増となっており長期で見ると、キャンピングカーの需要は堅調に伸びており今後も期待される。

販売のこれからの課題はキャンピングカーの受け入れ先の問題がある。道の駅などに設置されたキャンピングカー専用の「RVパーク」は全国に広がっているが、既設のキャンプ場のキャンピングカー利用者は大きく増えていない。キャンピングカーで快適に過ごせるキャンプ場をより多くの人に知ってもらうことが必要だ。

コロナ禍でキャンピングカーはキャンプ同様、感染予防などのメリットが注目され、台数の伸びにつながった。2011年の東日本大震災後には、緊急避難所として防災のツールとしても注目された。今回の能登半島地震においても、日本RV協会がキャンピングカーを災害派遣者の宿泊所として提供するなどの活動が行われているが、再度キャンピングカーの災害時の能力が注目されることが考えられる。

編集部