JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告
〜廃校キャンプ場編〜
高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、栃木県芳賀郡にある昭和ふるさと村キャンプ場を訪問した。廃校の小学校跡地を利用して作られたキャンプ場で、「顧問がこの夏最も楽をさせてもらったキャンプ」だった。なぜか?そのことは、部員が本文で触れているので、ぜひその目で確認していただきたいと思う。
私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生24名、高校2年生7名の計31名で活動している。季節は秋になり、キャンプをするにも穏やかな気候となった。
今回は、栃木県芳賀郡にある昭和ふるさと村キャンプ場。廃校の小学校跡地を利用したキャンプ場で、夏の終わり、気候も穏やかな中で行われた。実はこの小学校は普段はカフェも経営しており、給食体験なども行うことができる。が、生憎今回は定休日。ならば自分たちで作って食べよう!となり、自分達が住む給食の献立表を調べながらレシピを決めて実際に作った。「楽し 懐かし 童心が帰る」とHPで謳っている通り、行く前から懐かしい気持ちになった。
夏休みの活動記録は、今回で最後となる。例年、冬場はキャンプをしていないのだが、今年の冬は「キャンプがしたい」という部員もいるため、また新たなことに挑戦しようと思う。引き続き、アウトドア部の活動をお楽しみください。
給食体験ができる小学校跡地のキャンプ場だけど
定休日だったので自分たちで給食風キャンプ飯を作って喰らう
今回のキャンプ場は、栃木県にある昭和ふるさと村で、廃校となった小学校を再利用して作られたキャンプ場です。他のキャンプ場とは一風違う、レトロな雰囲気なフィールドでのキャンプは初めてです。夏休みの最後のタイミングだったこともあり、オートキャンプエリアに他の利用客が居らずほぼ貸し切り状態だった事です。人が居ないので周りの景色がよく見えて、それと学校の校舎もパンフレットなどで見たのと、そっくりな風景でした。
テントなどを設営し、一通り終わって見回すと、皆これまでかなりキャンプを経験した事からとても綺麗な配置になりました。例えばテントとタープを組み合わせたり、タープ内のインテリアにこだわったりと。そのせいか部員の一体感が更に増したような気もしました。
昭和ふるさと村の体育館は、小学校の体育館を再利用しており、内装はそのままごく普通の体育館でした。そこで、僕たちは体育館を借りてバスケやシャトルラン(小学校にちなんで体躯の授業”風”)などをしました。小学校の体育館ということもあり、少しバスケットリングが、低かったりしましたが楽しめました。他にも、僕たちは、やっていませんが、バレー、バドミントン、卓球等も出来ます。今回は2時間ぐらいの長時間体育館を使って、体育館の中はとても広々としていてとても開放感があったので、家族連れの方などは楽しめる環境だなと思いました。バスケは1人経験者がいてすごく盛り上がり、シャトルランは上履きがなかったので少し足が痛かったのですが顧問は150回超えとすごい体力だと感じました。汗だくになりながらサイトに戻り、予めギンギンに冷やしておいた缶ジュースが入ってるクーラーボックスにみんなで一斉に手を入れて乾杯したことも、言葉では言い表せない感動で、記憶に残りました。
体育館で遊んだ後は夕食の準備をしました。火おこしは優秀な部員がファイヤースターターで火を起こしました。今回の夕食はキャンプ場が小学校跡地ということで「小学22年生(※顧問)と小学10年生(部員)が作ったアタオカな給食」というコンセプトで菓子パンのコッペパンを揚げて揚げパンにしたり、1個が400gという巨大な唐揚げを作ったり、これもまた大きな照り焼きチキンをつくったり、カレーを作ったりしました。季節のメニューということで、カレーは夏野菜カレーにしました(このために献立表を調べたところ、夏休み前最後の給食が夏野菜カレーでした)。ナスやズッキーニを入れました。ズッキーニがいい味を出していてとても美味しかったです。元小学校で自分たちが作った給食を食べて小学生の時の記憶が蘇りました。
唐揚げは豪快にかぶりつく!小学生の時の給食ではできなかったことも、高校生になったらできる!
夕食の後は温泉に入りました。
温泉は2箇所あり、片方の方は、内装は広く木造で落ち着くような雰囲気がありました。さらに、シャンプーなども設置してありとても使い勝手が良かったです。大自然の中、虫の音が聞こえ落ち着ける様な温泉でした。もう片方の温泉は、前の温泉に比べて狭く、プライベートな空間を楽しめる広い浴槽には無い良さがありました。
夜はテントが月明かりに照らされ、包み込まれるように眠りにつくことが出来ました。夜は、はしゃぎすぎた疲れでよく寝られました。朝は霧がすごく、とても寒かったけれど日が昇るにつれ、霧も段々と晴れて暖かくなっていきました。みんなが徐々に起き始めました。朝ごはんはサンドイッチで、中身はチーズとハムが入っており、とてもボリューミーでとっても美味しかったです。その後は撤収の作業を始めました。みんなと協力し、声を掛け合いながら進めていくと、作業はあっという間に終わりました。
帰りの途中で川遊びをしました。多くの子供連れで賑わう中で、私は水切りをしたり、坂本先生は子供みたいに水遊びをしました。それぞれみんなが思い思いの時を過ごしました。その後の帰り疲れているのか高校につくまでみんな爆睡でした。高校につくと、みんなで片付けをしました。その片付けもあっさりと終わり解散となりました。
夏休み最後のキャンプは、この夏の集大成を感じるような内容のキャンプでした。設営、遊び、食事、撤収、どれをとっても、全員が協力して声を掛け合い、スムーズに行動できていたと思います。学校に着いてから撤収作業が終わり、解散前には坂本先生から、「今までで(全員が主体的に動いてくれたおかげで)一番楽なキャンプだった」と言ってもらうことができたことは、とても嬉しかったです。
物事を進める時、「できる人」に負担がかかりがちです。これは、クラスや委員会などでも同じことが起こり得ます。(※社会人になってもそうです…by顧問)だけど、1人1人が自分のするべきことをしっかりと考えて、手が空いた時には終わっていないところを手伝う、仕事を見つける。そうすれば、全体の工程をスムーズに進めることができました。
キャンプではできたけど、まだ、日常生活の中ではそうした「動き」は、正直なところを話すとまだできていないことが多いのも事実です。誰かに任せる、ではなく、自分も動く、というのを、これからの生活でも実践できるようにしていきたいと思いました。
文責:岡部雅宗 小野田快斗 吉田健亮 佐々木翔太 田中陽汰 福永真詞 加藤翔太
(報告)
坂本皓正(JAC公認オートキャンプ指導者インストラクター)