JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告〜2023年9月の活動〜
高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からコロナ禍のアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、石川県にある能登島家族旅行村We Landを訪問した際の活動記録である。同じ1つのキャンプ場で、異なる2つのグループが全く違うスタイルでキャンプをする。それはそれで面白いものである。スタイルが違えば、行動も全く違う。同じキャンプは1つとしてない、またそれがいい、そんなことを思った石川県でのキャンプだった。
私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生24名、高校2年生7名の計31名で活動している。季節は秋になり、キャンプをするにも穏やかな気候となった。
今回は、石川県にある能登島家族旅行村We Landを訪問した。このキャンプ場は、4月の段階から生徒に最も人気のあったキャンプ場で、あまりの希望者の多さに、2回に分けて行くことになった。今回のテーマは、「石川県ならではのキャンプ」。普段は行かない日本海側で、2チームとも、石川県の名産品を料理に使う、というルールを設けた。1つの場所で、2つの異なるグループによるキャンプを見た。同じ高校生、同じアウトドア部の部員でも、グループが違えばスタイルも違う、これはこれでそれぞれのメンバーの性格が出て面白いものだった。そんな2つのキャンプを、比較しながら見て楽しんでいただきたいと思う。
私的な話になるが、大学時代は石川県金沢市に住んでいた。本活動とは全く関係がないが、今回石川県に里帰りするとなった時、当日は親しい仲間たちが仕事を休んで近隣の県中から駆けつけてくれたことも、個人的に嬉しかったことの1つである。離れていても、いざという時に必ず会える。生徒にも、そうした生涯の友を持ってもらいたいと願うばかりである。
1つの景色、2つのキャンプ
武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 坂本皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 高等学校2年2組 田口凌太
能登島家族旅行村We Land 前半~旅のおともに金沢カレー(風)?~
海ギリギリに設置されたオートサイトとなっているため、ほとんどのサイトが海に面しています。そのため、穏やかで美しい七尾湾の海を目の前に能登半島を眺めることができます。
しかし、海沿いのサイトは、海面より少し高いところにあり、多くの場所は断崖の上……。そのため、遊泳は禁止されています。テント場にはU字溝が設置されていて、ここを利用してバーベキューを楽しむこともできます。キャンプ場には温水シャワーがあり、温水シャワーは宿泊者は無料で使うことができます。温泉に入りたい人は、能登島家族旅行村の近くに『ひょっこり温泉 島の湯』があるのでおすすめです。車で約10分くらいで行けます。しかし、温泉の営業時間は朝の9時30分〜20時20分となっていますので入る際は時間を確認して早め行き夜は街灯が少ないため道が暗いので気をつけて行きましょう。コインランドリーもあるので、連日宿泊をする人でも安心です。第1、第4サイトの先には、綺麗な芝生の広場があり、バドミントンなどをして遊ぶこともできます。
私達は第3サイトを利用しました。第3サイトは海に面した場所ですが、潮風の影響を受けにくく、日陰も多い場所だったので、夏の暑い日に最適な場所でした。利用した際は海が近くにあったこともあり風が出ていて涼しく過ごすことが出来ました。能登島から見る夕日や朝日は海と一緒に見ることができるため、写真映えが良くきれいに撮れます。
この日は設営が終わった後、キャンプ場内を散策しました。ゆっくりと海を眺めている時間は、キャンプに行っても実はあまりなかったので、こうしたキャンプ場での時間の使い方も珍しかったです。
海沿いのキャンプ場の何が良いかと言えば、やはり日の入りと日の出ではないでしょうか。目の前に広がる日本海の景色は、「圧巻」の一言に尽きるもので、普段海無し県(埼玉県)にいてはみることのできない光景を見られたことが、遥々このキャンプ場に来た1つの喜びと感動になりました。
焚火とダッジオーブンでカレー調理中…🍛
皆様、金沢カレーをご存じでしょうか?
主に金沢市を中心とする石川県のカレーライス店で供される独自の特徴を持ったカレーライスのことで、ステンレス皿、千切りキャベツ、ソースがかかったカツが乗っているのが特徴です。今回は、元々カレーを作る予定で、しかも折角の石川県に来たこともあったので、金沢カレー風を作りました!(オリジナルレシピのルーとはちょっと違うので”風”です。)ちなみに、味はもう最高に美味しかったです!
キャンプに行くとき、皆さんは食事はどうしていますか?
郷土料理を作るキャンプも、その土地のことを知るきっかけにもなって良いと思いますので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか!?
この日は夜、少し雨が降りましたが、朝は綺麗な日の出を拝むことができました。
実は、今回のメンバー、普段はあまり部内でも交流をしたりすることが少ないメンバー同士でのキャンプだったので、どうなることかと思いましたが、いざキャンプに行ったら、しっかりと意思疎通を図りながら、それぞれの仕事にあたったり、行動することができました。また、これを機に、会話のきっかけが生まれることにもなりました。非日常の空間では、普段通りのことがうまくいかないこともある。必然的に、
能登島前半組のキャンプレポートは以上になります。さあ、後半組にバトンタッチです!
能登島家族旅行村We Land 後半~日本海の海鮮と能登島キャンプ~
続いて後半組です!
今回のキャンプは前半組に引き続き、能登島家族旅行Weランドというキャンプ場です!そして今回のキャンプにはいつもの部員と顧問の坂本先生の他に、筑波大学付属坂戸高校から1人、臨時で参加していただく事になりました!(前日の越辺川灯籠祭りでコラボしたときに、このキャンプがあることを話したら、即決で来ることになりました、行動力えぐい…!!)
そして、今回のキャンプは海が近いこともあり、海鮮をふんだんに使ったキャンプ飯を作るために、能登島の近くの魚市場で海鮮を買って行こう!と、なりました。実はアウトドア部は4年間もキャンプしているのに、食材を現地調達したことが1回もないと坂本先生から聞いて、なおさら実行するしかないと考え、調べたところ、能登食祭市場で買い物をすることになりました。マグロやサーモン、サザエやホタテといった貝類、海鮮バーベキューセット、巨大なブリカマなど、日本海の海の幸を楽しめる食材を買いました!
キャンプ場に着いてからはまず、荷物を下ろし始めました。荷物を下ろす時は、夏のキャンプということもあり、涼しい海風が吹いており、虫も少なかったのでとても快適に過ごすことができました。そのため、夜寝る時も快適で爽やかな朝を迎えることができました。しかしその心地よい風は火を起こすのには不向きでした。
今回使ったテントは、8人用テントだったので立てるのに苦戦しましたが、全員で協力して無事にテントを立て終えました。その後はテーブルや椅子を組み立て、タープを張ったりしました。1つのサイトの大きさは広く、荷物を出しやすかったし、テントを張るスペースは十分にありました。
そして、少し休憩をしたら夕日が沈む時間になっていたので顧問の坂本先生と部員で日没を見に行きました。その日はちょうど晴れていてしっかりと夕日が見えて海もあったのでいつもとは違う夕日が見えてとても綺麗でした。
5時くらいになり火を起こしはじめました。海の近くということもあり湿気や風で火をつけるのに時間がかかりましたが、何とか火がつき、夕食の準備をはじめました。夕食は海鮮バーベキューということでマグロに鮭にエビにイカにホタテにブリなどとても豪華な食材を使いました。エビとイカは串焼きにして食べました。マグロは刺身に、ホタテは炭火焼きに、ブリはアルミホイルに巻いて焼きました。魚市場で食材を買ったということもありどれも新鮮でとてもおいしかったです。こんな美味しい海鮮は食べたことがありませんでした。
今回のキャンプよりもレベルアップしたキャンプに出来たらいいなと思いました。
1つの景色、2つのキャンプ~顧問として、アウトドア部という部活の在り方を問う~
往復約1000km、それを2往復。まさか、こんな遠くのキャンプ場がこんなにも人気があるなんて…と内心思いつつも、石川県に帰れることがちょっとだけ嬉しかった坂本でありました。
人が違えば行動も違う。例えば、キャンプに行くということは、テントを張る、火を起こす、ご飯を作る、、、それが終わればだいたいのことは終わるのではないでしょうか。グループで行った時の面白さ、それが夜の語り合いの時間。自然と話題が出てきて、互いに語り合う時間は、普段の学校生活ではできない「ゆったりした時間」の中で送られます。
アウトドア部は、キャンプや登山といった自然体験をする中で、自己の成長を促進することができる部活動を目指しています。こうした活動を継続しつつも、2023年度は様々な社会貢献、地域活性化につながる「プラスアルファ」の要素を少しずつ取り入れ、現在に至ります。いずれにしても言えるのは、アウトドアを楽しむという心の在りよう、人と人とのコミュニケーションが織りなす人格の成長と形成ではないでしょうか。
同じ場所で行われた2つのキャンプ、いかがだったでしょうか。
また11月の報告をお楽しみに。
報告:坂本皓正
(公認オートキャンプインストラクター)