JAC指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動報告 〜JAC近畿の集い参加編〜

JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告
〜JAC近畿の集い参加編〜

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からコロナ禍のアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、日本オートキャンプ協会近畿支部主催のJAC近畿の集いへ参加した。2023年度、初の大型イベントへの参加である。様々な場所でアウトドア部の活動を広く知っていただき、今後の活動の幅が広がっていければ幸いである。

私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生23名、高校2年生8名の計31名で活動している。5月GW明けをもって3年生16名は受験のため一旦部活を離れ、新体制での活動となった。アウトドア部の活動の幅は広がり、アウトドアは単なる遊びだけではなく、内面的にも大きく成長できるチャンスであるということを実感するようになった。
台風というアクシデントを搔い潜り、日本オートキャンプ協会近畿支部主催のJAC近畿の集いへ参加した。ついに近畿(北陸)へ上陸になるとは、顧問を始めた4年前には想像もしていなかった。個人的な話をすると、大学時代は石川県在住だったため、久々に日本海の風を感じることができ、懐かしさの余韻に浸ることができたのは言うまでもない。
1年生の初陣となるキャンプイベントになるが、経験豊富な2年生をカバーすべく、奮闘している場面が随所に見られたのが非常に嬉しかった。2023年度初回のイベントとしては大満足で様々な学びを得て、終えることができたであろう。
多くの皆様に、日本オートキャンプ協会の会員ニュースとして、本校アウトドア部の活動を見ていただくことができた。2023年度のアウトドア部の新たなメンバー、新たなステージでの活動に、どうぞご期待ください。


2023年度最初の集いは北陸へ!トラブルを乗り越えて。

武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 坂本皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 高等学校2年2組 田口凌太

 今回私達アウトドア部は、6月3日、4日に福井県おおい町赤礁崎オートキャンプ場で開催された第9回JAC近畿の集いに参加させていただきました。が、台風の接近により天候は生憎の大雨…。私達はキャンプ場に持っていく荷物やキャンプの荷物などを旅のお供、ハイエースに積むために一度部室に運びました。この日は岐阜県羽島市まで行く予定でしたが、大雨の影響で急遽静岡のホテルに停泊しました。

 翌日、前日の大雨が何だったのか……というくらい晴れていました。本当は12:00くらいに着くはずが、大幅に渋滞で遅れてしまいましたが、17時頃にやっとキャンプ場に到着しました。高速道路を降りてすぐ、眼前には若狭湾が広がり、キャンプ場からも海が見渡せるぐらい近くにあり、近くに海水浴場がなんと2つも隣接しているそう。後々聞いた話ですがここに釣り竿を持ってきて釣りをするキャンパーも中にはいるようです。釣りキャンプ  魅力的ですね、そういえばアウトドア部はまだ「釣り」はやったことがないですが、釣りができる日も来るのかなぁ。

 また、今回は泊まりませんでしたが、キャンプ場に入ってすぐにログハウスがありました。そしてこのログハウスはなんと日本オートキャンプ協会の四ッ星認定を頂いているそう。キャンパーでなくともログハウスに泊まることができるので親子連れの方に特におすすめです。他にも夏には少人数制でSUPの体験やイカ釣りを計画しているそうで、また違う季節に来てみたいと思いました。

夜に集いの参加者の皆さんとの懇談会があるので大急ぎでテントやタープの設営をしました。キャンプ場に着いた時間が遅かったこともあり、夕焼けを拝みながらのテント設営となりました。1年生はほとんど設営は初体験でしたが、みんなで協力しながら計3つのテントをたてられたのでとても楽しかったです。すぐに夜になり、皆が待ちに待っていたであろう懇談会が始まりました。まず私達の自己紹介があり、全員が特徴的な紹介をして場がとても盛り上がりました。「1年若頭の門野です!!」ととある部員が紹介し会場は大盛りあがりこの勢いについで「1年若頭の尻に敷かれてる織田です!!!」と紹介したことにより、会場の盛り上がりは最高潮に。ライブ会場と見間違えるぐらいの盛り上がりようにかなり驚きました。

坂本コメント:尻に敷かれている織田君(左)と、ブレまくった若頭の門野君(右) ナイスアドリブ!

坂本コメント:長旅の疲れを癒し、ローヤルで乾杯!!!

坂本コメント:長旅で空腹の胃袋には、どれも格別に美味しかったです!

その後、集いの主催者が現地で作ったサイダーを配ってくださり、昼に共同で作る予定だったピザも私達の分までとって置いてくださりました。夜ご飯がとても美味しく、その日朝ご飯と昼ご飯を兼用で食べ、空腹だったこともあり、身体に美味しい味が沁みて、1日の疲れが一気に吹き飛びました。キャンプ場で食べるピザと鰹の刺身は最高に格別です。

夜ご飯を食べた後は、坂本先生の助言によりこの焚き火会参加者の皆さんと色々なキャンプの知識の話や今まで行ってきたキャンプ場の話などを聞かせていただきました。ある部員は集いに参加していた池田さんというキャンパーの方から「やりたいと思ったことは全てやりなさい。」「憧れの人に会いたいと思ったら行動する。そしたら絶対に合うことができる。」などキャンプ以外のお言葉などもいただいていました。他にはベテランキャンパーの井上さんという方にお話を伺いました。井上さんとの会話では、北海道の気候はキャンプをやるにはぴったりで多くのキャンプ場がありその全てのキャンプ場を制覇したと話して下さいました。また前田さんというキャンパーの方は、車中泊でキャンプするときとテントでキャンプするときでの準備の違いや車中泊では車の屋根にソーラーパネルを設置し発電をして電気を得ることができることを知り、ソーラーパネルは、強力な磁石で屋根に取り付けていると仰っていました。なんだか少し難しいですが、これができるようになればアウトドアで電気など使えるようになりより活動の幅が広がると思いました。坂本先生、キャンピングカーの購入待っています!

他にもランタンの話や道具の話などを聞いたり、時にはプライベートな話を聞いたり、これからの部活でのキャンプに生かせるようとてもありがたいことをたくさん教わり、これからの活動目標の参考になりました。

懇談会はとても盛り上がり、22時の消灯まであっという間に時間は過ぎていってしまいました。この体験をもとにこの部活をより一層活性化できるようにしたいです。

坂本コメント:この日は満月。キャンプ場の醍醐味の1つは「景色」ですよね!

最終日の日曜日の朝、海辺の近くということもあり、朝方の夜露が他の地域のキャンプサイトと比べてもかなり凄く、テントの所々が湿っていたりしました。ですがこれも海辺のキャンプならではのことなので滅多に無い貴重な経験となりました。

 4時半頃に起床し先生・女子全員・男子(2名のみ、他は就寝)と日の出を見ました。日の出を見ている最中は海が目の前にあるため、夏なのにも関わらず、とても寒くて日の出どころではありませんでした。それを見かねてか、坂本先生が温かい飲み物を用意してくれました。日の出を見ていた部員の中で女子がそれぞれアウトドア部のSNSでライブ配信をしていました。時代を感じます。

坂本コメント:夜遅くまで起きて星空を眺めたり、朝早く起きて日の出を見たり……普段は絶対しないことをできる(しようと思う)のが、キャンプのいいところですね。

坂本コメント:キャンプ場の朝。のどかな朝です。こういった時間がゆっくりと流れる感覚、みなさんはお好きですか?

朝食のあとは、10時から控えている近畿の集い閉会式でアウトドア部持ち込み企画の【高校生が選ぶベストキャンパー】の準備として8時から男子と女子の2グループに分かれ参加者各サイトを回りアウトドア部の独断と偏見で2名様選ばせていただきました。

男子組は計14サイト回ることになりました。中には車とテントを複合させたキャンパーや自分の貨物車を真っ二つにして、後ろのタンカーと接合させるという改造車に乗っている人、キャンピングカーに2段ベッドを作ってスペースを作ってる人などのキャンパーごとに個性のあるサイトで男性の中で1人を選ぶのはとても苦労しました。その中で長谷川さんというキャンパーさんのサイトに決定しました。とてもスッキリとしたサイトでとてもおしゃれでした。ちなみに長谷川さん自身もバンドをやっているらしく、とてもダンディーでかっこいい人でした。

坂本コメント:1年アウトドア(サバイバー)部員の岡部君。長谷川さんのサイトがたいそう気に入ったらしく……。岡部君はどちらかというとサバイバル力高めなアウトドア部員。今後に期待が高まりますね。

女子組は計12サイト回りました。回ったサイトの中には初心者ながら家族でキャンプしに来ている人や、犬と一緒にキャンプをして車の中にベッドを作り、そこで犬と一緒に寝たりと、犬と楽しくキャンプしたりするキャンパーさん、車で来て車中泊をするキャンパーさんがいて車中泊で来ているキャンパーさんに関しては、ソーラーパネルを強力磁石で屋根に取り付けて発電していて、非常に工夫が凝らされていたので今後の活動の参考になりました。

その他のキャンパーさんにも色々なキャンプについての話を聞くことができ、キャンプについて勉強することが出来ました。その他にもキャンプや登山について学ぶことができるおすすめの漫画も教えていただけました。

その中で、浜松さんというキャンパーさんに決定しました。浜松さんのサイトはおしゃれで可愛いテントで、色々な道具などを見ることが出来ました。

坂本コメント:渡しているのは1年生のリーダー的存在(?)の羽山さん。今年は本校の学校案内のパンフレットにも掲載されました。12月に行われるサンタヒルズオートキャンプ場でのイベントでは、3泊4日泊まり込みで陣頭指揮を執ります。

どれも目移りしてしまうような素敵なテントばかり。キャンプスタイルも様々だったので選ぶのにかなり悩みましたが2組のグループから『どこをコンセプトにしてテントを設営したか』という点で選ばせていただきました。選ばれた2名様には、越生町の特産品などをプレゼントさせていただきました。抽選会ではアウトドア部内で男子のグループと女子のグループに分かれて二名司会として出させていただき、その中の一人は「アウトドア部一年若頭!」と自己紹介をし、アウトドア部の皆も合わせて「よ!若頭!」とノリに乗って盛り上げてくれました。

閉会式が終わったあとも、参加者の皆さんと写真をとったりお土産をいただいたりしました。

坂本コメント:抽選会もアウトドア部がMCから場の盛り上げ役まで全部頑張りました!みんな、うまくイベントを盛り上げられたかな? この経験が役立つときが来る時がいいですね!

そして、11時半頃からテントなどを片付けを始め、12時に赤礁崎キャンプ場を出発する予定で帰る準備をして12時半頃に赤礁崎キャンプ場を出発しました

 帰りの道は一昨日までの豪雨が嘘かのように良天で気温もかなり上がっていました。途中の諏訪湖サービスエリアではとてもきれいな諏訪湖を見ることができました。そのまま学校までノンストップで向かい、学校に向かいました。

世代が変わって前年度の1年が2年になり、3月まで中学生でまだ入学間もなく、ほとんどがキャンプ未経験だった新1年も加わっての今年度初の「集い」キャンプ。今年度は前年度よりも多くのキャンププロジェクトがあります。今回のキャンプはそんな今年度のスタートを切る良い経験だと思いました。台風というアクシデントにも負けず、その場の臨機応変な行動で、全員で無事に2泊3日のキャンプを終えることができました。

 今回のキャンプを通して、部活内の人はもちろん、部活外の普段は関わることのないキャンパーの方々と交流をすることができました。これまで、関東の集いや東海の集いに参加してきましたが、遂に近畿へ参戦!そして新1年生にキャンプの面白さや楽しさ、みんなで協力することの大切さなど様々なことを伝えることができる良い経験となりました。

 伝える、というのはとても難しく、アウトドア部のような環境では、1つ1つ指示を出すことなく、周りの状況を読み取って自分がするべき行動を見つけ出し、その場その場に合わせて動くことができることを、何よりも大切にしています。大切なことはたくさんあれど、「人としての常識」と「仲間を思いやる心」をアウトドア部員として常に心に留めなければなりません。今年度も引き続きアウトドア部の活動の幅を広げ、様々なキャンパーの皆様と関わり、武蔵越生高校アウトドア部のことを知っていただけるよう、活動に励みたいと思います。

最後に、JAC近畿の岡田様をはじめ、第9回JAC近畿の集いならびに第50回関西ファミリーキャンプ大会の運営に関わってくれた皆様と、参加してくださったすべての皆様に感謝申し上げます。また来年も参加します。次は兵庫県神戸市……どんどん西日本の開拓が進みますね!また参加します!お会いできることを楽しみにしております。

文責
2年 阿部真奈 相場隆之介
1年 織田陽大 岡部雅宗 門野優利 吉田健亮
関根渚咲 西村桃花 羽山愛美


報告:坂本皓正
(公認オートキャンプインストラクター)