JACオートキャンプ指導者が顧問をする高校アウトドア部の活動を報告〜2022年9月

高校教諭でアウトドア部顧問をしているJACオートキャンプ指導者からコロナ禍のアウトドア部の活動の様子を報告いただいた。今回は、武蔵越生高校で3年ぶりの一般公開による開催となった文化祭でのアウトドア部の出展ブースの模様をお届けする。

私が顧問を務めているアウトドア部では、現在高校1年生14名、高校2年生18名の計32名で活動しています。今年も多くの部員に恵まれ、これまで以上に活動の幅を広げることが可能になった。これまでは、様々なアウトドア活動を通じて体力の錬成や、シーズンスポーツの体験などで、教育的活動としてのアウトドアではありませんでした。しかし、このコロナ禍で活動をするにあたり、「衛生的に守られた、最高に楽しめる」アウトドア活動を考え、部員たちと一緒になり、実践しています。

昨年はコロナウイルスの影響により非公開で、1日のみで行われた文化祭であったが、今回は一般公開で2日間にわたって開催された、本校の文化祭でのアウトドア部の模様をお届けする。準備、企画などは、例によって生徒の運営により行われた。生徒たちの創意工夫あふれる文化祭の出展の模様を、楽しんでいただければ幸いである。


OUTDOOR DAY OGOSE 2022

武蔵越生高等学校 アウトドア部
顧問 坂本皓正(公認オートキャンプインストラクター)
部長 高等学校1年1組 今村美月

《準備編》

本年度の文化祭(けやき祭)は、3年ぶりの一般公開による開催、かつ、文化部は金銭のやり取りをしても良いとなったこともあり、部員一丸となり頑張りました。
ところが、いざ出展内容を考えるとなると、なかなか納得のいく案が出ず大変でした。最終的には、いろいろと調べた結果、出し物がロープワークを使ったキーホルダーとブレスレット作りとなりました。練習のときは失敗ばかりでしたが、うまくできるコツを教え合ったりすることで、協力しながらたくさん練習を行い上達することができました。

予算が決まっていたため、看板製作では、できるだけ安く、丈夫で、アウトドア部らしく木材を使って作りたいとおもっていたので、発泡スチロール板にベニヤ板を貼り付けて作りました。多少のトラブルがあったものの、最終的には良い仕上がりとなってみんなとやり遂げた達成感がありました。

登山マップやキャンプ場紹介マップは、前々から決まっていたことでしたが、写真のデータが共有されていなかったり、ただただ忘れていたりして大変でしたが、なんとか前日に完成させることができました。
準備段階の反省としては、直前に準備が終わったり、本来なら予定していたものが間に合わなかったものがあったので、各々でやるべきことがたくさんあることを自覚すれば、もっと余裕のある準備ができたのではないかと思います。何事も余裕がないというのは、今回に限らず、様々な場面において困ることなので、なお気をつけるべきだと思いました。

1日目》

初日からジリジリと焼け付くような日差しと雲の少ない恵まれた天候で始まりました。
最初は、お客様が来るのか不安でしたが次第に少しずつきてくれるようになり、11:00を過ぎたあたりから席がなくなるんじゃないかというぐらいたくさんのお客様が来てくれました。
体験はなるべく日の当たらない日陰で行い、お客様の体調にも気を配りました。

お客様の年齢は様々で、小さなお子さんからご高齢の方々など、幅広い層の方に足を運んでもらえました。
1年生は初めての文化祭ということもあり、どう動けばよいのか、来てくれた方にロープワークの体験へ案内し、説明するにはどうすればよいか等、戸惑うことも多くありました。また、終了後には来てくださったお客様にアンケートを書いてもらったりとやることも多く、行動が遅くなってしまうこともありましたが、顧問の先生と部員全員で協力して乗り切ることができました。

1日目の反省としては、設営に予想以上に時間がかかり、文化祭の開始時に設営が終わらなかったこと、席の台数や机の台数が足りなかったこと、シフトの人数が足りなかったこと、それにより炎天下の中、お客様のことを待たせてしまったこと等の反省点がたくさんあったので、2日目に活かせるようにまとめ、共有し、翌日の簡単な準備を行いました。ここで新たに、宣伝用のPOPの作成、印刷も行い、誘導オペレーションなども見直して、2日目に臨むことにしました。

《2日目》

1日目の反省を活かし体験ブースやその他キャンプギアの配置を変えてみたり、アウトドア部の宣伝担当を増やしました。誘導オペレーションについては幹部で朝から再チェック、全員へ伝達。この日は準備も滞りなく終わり、順調なスタートを切ることができました。
また、宣伝担当(POPを持って学校内を移動する人)を増やしたこともあり、1日目よりも多くのお客さんに来ていただくことができました。予想以上のお客さんがお越しになってくれたので、とても嬉しかったです。
その結果、ありがたいことに1日目よりも多くの方がいらっしゃったので、1日目より席を増やしたものの、大入り満員状態! 人手も一瞬ですが、足りなくなってしまったところが、一番の反省でした。ですが嬉しいことに、私たち部員側の予測客数をはるかに超える来場者数を記録し、ほとんど全部員が終始シフトに入る形にはなったものの、この時間はとても楽しかったです! また、熱中症予防のパラソルも足りなくなってしまったこともありましたが、日陰をうまく使いながらなんとか乗り切ることができました。

それととっさにアウトドア部について詳しく聞かれたときに、正確な人数や今まで行った山々、オススメのキャンプ場などがすぐに言えなかったことや、キャンプギアについて詳しく聞かれたときに、これをどういうふうに使うかなどがすぐに言えなかったことも、来年に向けてより質を高めたいと思えた部分でした。相手に普段の活動の「臨場感」が伝わるような説明(プレゼン)ができるようになりたいと思いました。
しかし、最終的にはアウトドア部みんなで雰囲気よく協力し、お互いに助け合ってできていたことで、お客さんを捌き切る事もできました。
この文化祭を通して、アウトドア部全員の仲がより一層深まったのではないかなと私は思いました。1年生は今回初めての文化祭でしたが2年生、そして2日目から急遽助っ人として参加してくれた、3年生の先輩方とよく協力できていました。
来年は今年学んだ反省点を活かし、より良い文化祭にしていけたらいいなと思います。

■2日間を通じての出展内容

  • アウトドア部作成の登山マップ、キャンプ場アーカイブ
  • オートキャンプロケーションガイドの配布
  • ロープワークdeキーホルダー、ブレスレット作り体験
  • キャンプギアの展示
  • アウトドア部のYouTubeチャンネルの紹介、動画の放映
    説明1人、体験6人、受付2人、アンケート1人の10人制を1時間交代で回しました。
  • 宣伝は校内のあらゆる所を歩いて行いました。(2日目)

1日目も2日目もアウトドア部や、キャンプに興味のある方がたくさん来てくださって、上記の通りたくさんの反省点もありましたが、大成功と呼べたのではないでしょうか。そして、今回の文化祭を通して、さらにたくさんの方にキャンプに興味をもってもらえたなら、この上なくうれしいです。

文責 2年 稲場碧希 関口陽成
1年 今村美月 萩原優矢 金子陽向


報告:坂本皓正
(公認オートキャンプインストラクター)