ジャパンキャンピングカーショー2021レポート

ジャパンキャンピングカーショー2021レポート

4月2日(金)~4日(日)の3日間、幕張メッセで「ジャパンキャンピングカーショー2021」が開催されました。新型コロナウイルスの影響で2月から延期となった本イベントでしたが、感染防止対策が徹底された会場には多くのキャンピングカーファンが訪れ、活況を呈していました。

コロナ禍で、テレワークの拠点や3密を避けて旅行するためのツールとして、
「どこでもプライベート空間を持ち運びできる」キャンピングカーの優位性に注目が集中

今回のショーでも、軽自動車をベースにしたコンパクトなモデルから大型バスクラスのハイエンドなモデルまで、さまざまなキャンピングカーが展示されていました。価格帯も、200万円台から2000万円近いものまで幅広く、1人旅、夫婦旅、家族旅、アウトドアアクティビティや趣味のベース基地としてなど、用途に合わせて好みの車両をチョイスできる態勢が整っています。

今回のショーの最大のトピック:「大容量の生活電源を搭載したキャンピングカーの増加」

キャンピングカーには、エンジンを止めた状態でも車内で電気が使えるように、サブバッテリーと呼ばれる「生活電源」が搭載されていますが、今回のショーでは既存の鉛バッテリーから、より高性能なリチウムイオンバッテリーにコンバートしたキャンピングカーが多数展示されていました。

「大容量サブバッテリー」と「家庭用エアコン」の搭載は、いまやキャンピングカーの世界でスタンダードになりつつあります。これらの装備があれば、アイドリングストップ状態でもサブバッテリーでエアコン(クーラー)を稼働することができ、暑い夏でも車内で快適に就寝できます。高温多湿の日本で1年を通してクルマ旅を楽しめるように、今後もサブバッテリーの大容量化や充電の効率化は、さらに進んでいくことでしょう。

もうひとつの傾向:SNS映えする「スタイリッシュなキャンピングカーの台頭」

空前のキャンプブームの波に乗って、「キャンプ場で映えるクルマ」がスポットを浴びるようになり、海外発信の「バンライフ」「オーバーランド」スタイルにカスタムしたクルマをフィールドで頻繁に見かけるようになりました。そうした潮流は、キャンピングカーの世界にも影響を与えています。

とくに、ハイエースをベースにしたバンコンタイプでは、アウトドア感やバンライフイメージを強調した、スタイリッシュなビジュアルの車両が多く見受けられました。

中には、ジャーナルスタンダードやペンドルトンといった人気ファッションブランドとコラボレーションしたモデルも。とくに若いユーザーにとっては、「カッコよさ」もクルマ選びの大きな要素となりますので、スタイリッシュなキャンピングカーの増加は、ユーザー層を広げることにもつながりそうです。

バリエーション豊かなラインナップとさらなる進化を遂げたモデルの台頭で、今年も見どころ盛りだくさんだった「ジャパンキャンピングカーショー2021」。

メーカー各社がさまざまなこだわりを詰め込むことで、日本のキャンピングカーは着実に進化しています。キャンプやアウトドアの楽しみ方を広げるツールとして、ぜひキャンピングカーに注目してみてください。


(執筆者プロフィール)
キャンピングカーライフ研究家/JAC公認インストラクター資格認定講習会講師
岩田一成(いわたかずなり)
1971年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社勤務を経て2003年にライター・エディターとして独立。キャンピングカーで家族と1000泊以上の旅をした経験をもとに、雑誌、WEB、トークショー、テレビ出演など、様々な形でキャンピングカーの魅力を発信している。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』(グラフィス)
http://www.iwata-kazunari.com/