「レジャー白書2024」に見るオートキャンプの動向

「レジャー白書2024」に見るオートキャンプの動向

調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす公益財団法人 日本生産性本部の余暇創研は、2023年の余暇活動状況について、個別の意識や参加実態に関するアンケート調査および各業界の市場分析を検証して取りまとめた「レジャー白書2024」を10月31日に発行した。
その中から、「オートキャンプ」に関する統計データの一部を紹介いたします。

《全体概略》

■日本人の余暇活動の現状~国内観光旅行が2年連続の首位、一人当たり平均参加種目数は微増~

  • 余暇活動の参加人口は、「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」(4,740万人)が2022年に続き首位となった。「外食(日常的なものは除く)」が参加人口を増やし2位に上昇。「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」など在宅レジャーも引き続き上位となっている。外出を伴う種目をはじめ、多くの余暇種目で参加人口の増加がみられる。
  • 一人当たり平均参加種目数は、前年比0.3種目増の10.4種目。主に観光・行楽部門で微増。男女別にみると、ともに増加しているものの、女性の増加幅の方が大きく、男女で0.5種目の差となった。
  • 仕事より余暇を重視する回答者の割合が年々増加。回答者の約3分の2が余暇を重視している。

■余暇関連産業・市場の動向~観光・行楽部門が前年比32.1%と大きく増加、他部門にも増加がみられる~

  • 2023年の余暇関連市場規模は71兆2,140億円で、前年比で13.4%増加した。コロナ禍で大きく落ち込んだ分野が伸びた一方で、コロナ禍の特需で伸びた分野には反動減も見られる。2019年比では98.5%の水準。
  • 【スポーツ部門】(前年比3.6%増) 各スポーツ用品、スポーツ観戦が伸び、フィットネスクラブやゴルフ場、スキー場(索道収入)、ボウリング場も堅調。ゴルフ練習場やキャンプ用品、釣具、スポーツ自転車は反動減。

《「オートキャンプ」に関する調査結果》

◾️潜在需要

男性40代が9位にランクイン。前回は10代と30代が10位以内にランクインしていたが今回は圏外となった。

◾️消費実態

オートキャンプは参加人口240万人↓、年間平均活動回数8.2回↑、年間平均費用66.7万円↑、一回当たり費用8,130円↑という結果になった。※矢印は前年比較

参加人口は対前年85%。15%減と大幅な減少となった。

◾️性・年代別、居住地域別参加率

年代別構成比では男性は20代、40代で高く、女性は40代が最も高かった。

居住地域別参加率では長野・山梨、次いで北陸、3番目に四国という順位になっている。

◾️市場推移

昨年2023年の「登山・アウトドア」市場は一昨年を3.5ポイント下げて2450億円だったとの結果が出ており、昨年がピークだったことがうかがえ、耐久消費財なだけにいま暫くは在庫調整期間が続くと予測される。

同じスポーツ関連部門でもフィットネスクラブの急速な拡大に引っ張られてトレニーングウェアおよびスポーツシューズ市場も堅調に伸ばしている。スキー場やスキー・スノボ用品市場も拡大に転じているが、これば夏のレジャーへの施設&サービス対応やインバウンド復活とともに功を奏したと推察される。

総括として

キャンプ人口が一昨年2022年にピークを迎え、キャンプ関連用品の市場需要も一年遅れて昨年2023年にピークを迎えた。人口が減少する中で、業界を維持していくために施設はサービスの充実を、用品メーカーは製品の品質(クオリティ)を向上させていくことが参加人口と収益の確保していくことにつながる。今後、はより一層、施設やメーカーの手腕が問われそうだ。

https://www.jpc-net.jp/research/detail/006617.html

(取材・執筆)日本オートキャンプ協会編集部