コロナ禍で定着したキャンプ場ワーケーションスタイル

キャンプ場ワーケーションのヘビーユーザーに利用スタイルを取材

新型コロナウィルス感染拡大で従業員の健康と安全を守る必要と義務から企業の間ではリモートワークが日常となりつつある。今回、コロナ禍で会社からリモートワーク解禁となって以降、ほぼ毎週をペット連れのソロでキャンプ場を利用し、ワーケーションを行なってきた当協会の指導者からリアルな話を聞くことができました。

以下、いただいた内容をそのまま掲載させていただきました。
「少し早めに自宅を出ていつもと違う場所に出勤(出張)」する感覚でワーケーションを満喫している様子が伝わってきます。それだけ心理的な敷居を下げることができれば、もはやキャンプ場は「週末のファミリーのためだけに非日常を楽しんでもらう場所」ではなくなる予感がしました。
実際の声に耳を傾けることで「提供する側」と「利用する側」のギャップに気づくこともあるでしょう。
ぜひキャンプ場にワーケーション需要を取り込もうと考えている経営者は参考にしてみてください。


コロナ禍で仕事の半分以上が在宅勤務となった為、この機会に乗じてキャンプ場でワーケーションを積極的に取り入れています。
特に金曜日に、キャンプ場でワーケーションが出来ると、仕事が終わり次第、2泊3日のキャンプに突入できる為、一石二鳥です。
私の場合、ほぼ100%、相棒のワンコを連れてソロでワーケーションしながらキャンプを楽しんでいます。

■普段ワーケーションでキャンプ場を選ぶ基準は下記の通りです。

  • 自宅から車で1時間以内で到着する場所
    (東京都・神奈川・千葉が比較的多いです。)
  • am9:00前後or昼休みの間にチェックインできるキャンプ場
    (会社の始業時間前or昼休みの1時間で自宅からキャンプ場へ移動でき、仕事が開始できる状態に出来る)
  • 平日は比較的空いている
    (電話やオンライン会議中に周囲の声が入りやすいand周囲に独り言が多い人だと誤解される可能性もある為)
  • 近隣とある程度距離が保てる広さor人目が気にならないサイトがある
  • 携帯、Wifiが繋がる

キャンプ場は1泊3千円前後の価格帯で選んでいます。

よく利用させて頂いているのは、自宅から割と近い神奈川県の青野原オートキャンプ場、ウェルキャンプ西丹沢、千葉県の森のまきばオートキャンプ場です。
なんといっても、自宅から1時間以内で移動可能、リーズナブル、施設も綺麗である為、週末のワーケーション&キャンプではよく利用させて頂いてます。

また自宅から遠くはなりますが、大型連休の前日だと岐阜県の平湯キャンプ場、静岡県のふもとっぱらキャンプ場もワーケーションで利用させて頂いてます。
平湯キャンプ場は、プライベート感のある独立したサイト構成になっており、炊事場もトイレも綺麗で、皆さんマナーをしっかり守られてキャンプされている印象です。

なんといっても、徒歩圏内に奥飛騨温泉郷ひらゆの森があり、また、気分転換にもいい軽いトレッキングコースもあるで、満足度は非常に高いです。
ふもとっぱらキャンプ場は言わずもがな、好きな場所を選んで、あの雄大な富士を目の前に仕事をすれば最高のワーケーションになります。
ハズレだったキャンプ場は、静岡県のBキャンプ場です。(理由は後半にまとめました)

(これまでワーケション&キャンプで訪問したキャンプ場)

■近場でのワーケーションする際の当日までの流れは以下のような感じです。

  • 前日   車に荷物の積込み・食料の下ごしらえ
  • AM7:30 自宅出発
  • AM8:30 コンビニで昼食購入
  • AM9:00 現地到着~テント設営
  • AM10:00 始業 (合間にギアの配置)
  • PM12:00 昼食 ギアの配置や寝具の準備などの仕上げ
  • PM13:00 午後の仕事再開(途中オンラインミーティング等含む)
  • PM18:00前後 終業
  • ~以降、週末キャンプ開始~
(ワーケーション中のテント内)

因みに、私の場合、大容量のポータブル電源を持っていません。
あったらいいなと思いますが、フル充電であればだいたい終業時間までパソコンの電源が持つことが多いです。
18:00の終業時間になるか、パソコンの電源切れるかのどちらかまで仕事をすることにしており、、
逆にメリハリをつけて仕事ができるような気もします。

■キャンプ場であったらいいなと思うサービスや施設については、

  • ポータブル電源の貸し出し(万が一の為)
  • 全域Wifiカバー
  • 9:00前後のアーリーチェックイン
    (出来ればリーズナブルな価格設定ですと大変助かります。)
  • 静かで人の目が気にならないサイト
  • ドライヤーが使えるシャワー施設
    (季節やキャンプ場のルールによっては終業時間後に入浴施設に行くことが難しい為。)
  • お昼ご飯などの軽食が購入できる売店
  • キャンプ場でのルールの徹底(サービスではないですが・・)

■反対になくてもいいと思うサービス

  • ワーケーション専用サイト
  • 手ぶらワーケーションサービス

■キャンプ場でワーケーションすることで良かった事は、

目の前に川が流れていたり、大自然が広がっていたり、自分の好きなギアに囲まれながら非日常下で最大限リフレッシュしながら仕事ができる点だと思ってます。
また、仕事が終わればその瞬間から週末のキャンプに突入できるので、お気に入りのキャンプ場でのワーケーションだからこそ・・仕事にメリハリがつきやすいです。

ワーケーション・キャンプ共に、おかげ様で今まで危険な目に合ったことはありません。
あったとすれば、就寝中にネコがテントの中に侵入し菓子袋を持ち去ろうとしていた事くらいで済んでいます。

■嫌だなと思ったことは、

某キャンプ場で集金の時にしか管理人さんがいらっしゃらなかった為、部外者の出入りが非常に多かった事です。
部外者というより、管理人さんを探しに来る近所の住人の訪問が殆んどで、時間に関係なくついでに各サイトを見学して帰られる方が多かった為、少し困りました(笑)

■ロケーションでは、

風力発電が近くにあるキャンプ場では四六時中フンフンフンフンと聞こえてくる風の音が気になり集中できませんでした。
この場合はロケーション上仕方ないとは思いますが、、特に音楽やラジオ、大声、機械音等の音の問題は嫌だなと思います。

ワーケションする場合、環境が大事になると思いますので、周りにどのような方がいるか視界に何が入るかをきちんと確認してからサイトを決めるようにしています。
また、サイト指定のキャンプ場でも、ソロである旨をきちんと伝えるようにしている為か、比較的、人目の気にならないサイトへと配慮いただいているのではないかと思っています。


私の勤務先は、コロナ禍で週の半分は在宅になった為、キャンプ場でのワーケーションが可能でした。
今後はフレックスタイム制度の導入も検討される為、今以上にフレキシブルな勤務形態になるかと思います。
その為、キャンプ場でのワーケーションの機会が更に増えるのではないかと密かに期待しています。

(週末のワーケーション。目の前は道志川)

(執筆者紹介)
田中里佳
JAC公認オートキャンプインストラクター
Instagram:@526o_o