キャンプ場の建設・開業を考える人々、その背景と目標
キャンプ場を建設したい、運営したいという人々が増えている。昨今ではキャンプYouTuberの影響もあってか山林を購入してプライベートキャンプ場をはじめる方々が増えているというニュースも耳にする。12月上旬、当協会が開催した「キャンプ場経営セミナー」も3回の開催が定員ほぼ満席になるなど活況を呈した。そんな参加者の実態と状況をみながら、彼らが何を夢みてキャンプ場を始めようとしているのかを分析、紹介していくことにする。
参加した方々の状況
参加者は60代までの現役世代が9割であり、約半数は30代から40代が占めている。職業も会社経営者や自営業者が3割いるものの、半数は一般の会社員である。約半数が毎年3回以上キャンプを楽しんでいるということからも、商売や収入アップなど金銭目的でなく、自らのキャンプを楽しんでいる経験が発端の一つになっていると知ることができる。参加者の業種では製造業21.3%、サービス業19.7%、宿泊・飲食業11.5%、不動産関連業が9.8%と観光に関連する職業に従事していた方も多く含まれるが、業種は様々であまり因果関係はあまり深く関わっていいないと考えられる。
参加の動機ではすでにキャンプ場をはじめることが決まっていたり、1、2年以内にキャンプ場をはじめると決めている方々が半数いるものの、逆に残りの半数もが趣味の域から一方飛び出して、受講費用を払ってまで真剣にキャンプ場経営を学びたいという人々が申し込んで来たことに驚かされる。
参加者はキャンプ場経営の何に魅力を感じ、どんな夢を実現しようとしているのか
キャンプが様々なメディアで取り上げられることで、多くの人に認知されるようになった。「キャンプをやっている」というだけで特別な技術を持っている人に思われた時代から、誰でもキャンプのイメージを持ち、キャンプをする人が特別な人ではなくなった。
そうした時、企業には、今後も需要が拡大が期待される産業としてキャンプ場がイメージされるようになった。個人では働き方の変化により、特に若い人では、本業を持ちながら、常にもう一つ、もしくはそれ以外の仕事を考える人が増えていることで、自分の好きなことを仕事にしたいと考える人が多くなっている。そうしたことがキャンプ場の運営を考える人が増えている背景にあると考えられる。
キャンプ場の需要はこれまでの「キャンプを楽しむ」というシンプルなものから、観光需要やワーケーションの場など、この数年でも大きく広がっている。今後キャンプ場ビジネスは、今回の経営セミナー受講者のように、様々な企業や個人が参入してくることで、キャンプ場がビジネスとして注目されるだけでなく、さらに新しい需要が開発されていくのではないだろうか。