国連世界観光機関で6月29日が「世界キャンプデー」に

日本オートキャンプ協会が加盟する世界のキャンプ組織「FICC(国際キャンピング・キャラバニング連盟)」は国連世界観光機関に於いて、6月29日は「世界キャンプデー」として認定されたことを発表しました。ヨーロッパならではのキリスト教に由来する「世界キャンプデー」は、価値観の異なる世界各国で昔から、キャンプが愛好されていることを示しています。

国連世界観光機関(UNWTO)で6月29日が「世界キャンプデー」と制定されました。

キリスト教文化圏では6月29日は聖ペトロと聖パウロの記念日とされています。聖ペトロは漁師で、湖で漁をしているときにイエスと出会い、イエスの一番弟子になりました。ペトロは「岩」という意味で、死後その墓の上にサン・ピエトロ大聖堂(聖ペトロの大聖堂)が建てられ、初代ローマ教皇として称えられています。
世界キャンプデーのいわれとなった聖パウロは、テント作りの家に生まれ、みずからもテントを作る技術を身につけました。厳格なユダヤ教徒で、キリスト教徒を徹底的に迫害しました。あるときパウロの行く手に復活したキリストが現れ、そのまぶしい光のために失明して、三日三晩寝込みました。キリストは弟子の一人に命じて、パウロの目が再び見えるようにしてやりました。そのときパウロの目からウロコのようなものが落ちました。何かのきっかけで急に物事が理解できるようになることを「目からウロコが落ちる」と言いますが、それはここから来ています。この出来事があってパウロは回心し、非常に熱心なキリスト教徒になりました。パウロは宣教のため祖国イスラエルにとどまらず、生涯に3度、小アジア、ギリシャ、ローマなどへ伝道旅行を行いました。西暦67年、ネロ皇帝の時代に、ローマ郊外で斬首刑に処せられて殉教したと言われています。
ところで、パウロは宣教活動をするかたわら、テントを作って生計を立てていました。このように宗教とは別の職業を持ちながら、伝道する人のことをキリスト教では「テントメーカー」と呼んでいます。日本では運動会用テントのことを一部で「パウロテント」と呼んでいますが、これも関連があるかもしれません。

世界キャンプデーの制定についてFICC(国際キャンピング・キャラバニング連盟)会長は、次のようなメッセージを発信しました。

このたび国連世界観光機関で6月29日が正式に世界キャンプデーとして認定されました。6月29日は聖ペトロと聖パウロの聖名祝日です。パウロはテントメーカーで、その当時の世界旅行者でした。パウロはキャンパーの機動性、自然との深いつながり、そしてキャンパー同士の仲間意識を体現しているのです。以来、キャンプは発展し続けて広く普及し、今ではレジャーや休暇の計画に欠かせない要素となって、人々のアウトドアライフの夢を実現しています。今日、テントやキャンピングカーでのキャンプは、かつてないほど重要な余暇活動であり、経済効果も大きく、多数の雇用を提供する産業となっています。

世界キャンプデーは、世界中のあらゆる社会階層の子供や若者や大人にとって喜びの日です。この記念日を、すべてのアウトドアファンや自然を愛する人々が、クラブイベントや、キャンプ大会で、あるいは親しい友人とお祝いし、互いの友情と平和と異文化への理解を深めてください。

FICC会長
ジョアン・アルベス・ペレイラ